絵コンテワークショップ 第一部 まとめ

キックオフイベントから1ヶ月が経ちました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。

my Japan では本年度第二弾のイベントとして、
5月20日に渋谷ヒカリエ8/COURT にて、
絵コンテワークショップを開催しました。
当日は、90名近くの方々が会場に足を運んでくださいました。
本当にありがとうございました!
今回は、東北新社の中島信也氏、ワンスカイの福里真一氏を
ゲストスピーカーにお迎えしました。

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それではさっそく、本イベントの内容を振り返ってみようと思います。
(この記事ではイベントの第一部の内容について載せています。第二部の内容については次の記事にて。)

■映像ディレクター×CMプランナー

【映像ディレクター 中島信也】
中島:CM制作には、考える段階(プランニング)と作る段階(ディレクション)があります。これをぐちゃぐちゃにすると進まない。今回のワークショップでは、考え方のヒントを与えられたらなと思います。

〜『サントリー「DAKARA」』のCM映像を例に〜
中島:考える(企画する)人の一例として、
タグボートのCMプランナー多田琢さんを挙げます。
彼が考えたDAKARAの小便小僧のCMなんですけど、
余計なものを排出することを表現するために、
小便小僧を使おうというのがこのCMの企画であり本質だと思うんですね。
小便小僧にしゃべらせようという企画は発明と言ってもいいですね。

〜『ニンテンドーDS「ボクらの太陽」』のCM映像を例に〜
(こちらは動画をご用意できませんでした。ご了承ください。)
中島:太陽の光をチャージしていくゲーム「ボクらの太陽」のCMで、
普通なら太陽の下で遊んでいる子供たちを描くと思いますよね。
ですが、このプランナーは、家の中でテニスをやらせて、
外でやらなきゃいけないと思わせる企画をするわけです。
中でやっちゃダメ、外でやりましょうというのが、このCMの意図です。

【CMプランナー 福里真一】
福里:中島さんがおっしゃったように、まず企画を固めるのが大切です。
企画がつまらないと、絶対に面白いものはできない。
そして企画と演出が別だという話が出ましたが、
そのメリットは批判的に演出家が見てくれるということです。
企画コンテのこの点がダメだったので、演出でこう直しました、
と言ってくれるのは有り難いわけです。
福里:では、実際に企画コンテを見ていきましょう。
〜『BOSS「コンビニ」篇』のCM映像を例に〜

福里:最初に「この惑星で、定番になるのは、大変だ」という言葉を入れたら、“定番”は“リニューアル”に合わないからとクライアントから一度却下になりました。
次に「この惑星で、魚肉ソーセージになるのは、大変だ」に直したら、
魚肉ソーセージの印象が強すぎると却下になったんです。
このように、タグライン、ナレーションを何パターンも考えて、
さらに映像にはめ込んで検討しています。
福里:企画だけに頼らずに、演出も大切です。
例えば、SMAPがコンビニに入ってくる姿を、
すぎちゃんがじーっと見つめるシーンなんかを思いつくところが、
演出家のすごいところ。
こういった部分を、皆さんもギリギリまで考えてみても良いと思います。

〜『BOSS グリーン「毎日の習慣」』のCM映像を例に〜
福里:このCMの狙いは、食後にBOSSを飲むという習慣をつけてほしい、
ということです。それをリズムよく覚えてもらうために、
このような畳み掛ける企画を思いつきました。
中島:このように企画はネタとも言えます。
ネタというのは一行で言えるもの。ひと言で言える企画が良い企画です。

Text: Kazuki Mochizuki

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