キックオフイベントから1ヶ月が経ちました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
my Japan では、本年度第二弾のイベントとして、
5月20日に渋谷ヒカリエ8/COURT にて、
絵コンテワークショップを開催しました。
当日は、90名近い参加者の方々が会場に足を運んでくださいました。
本当にありがとうございました!
今回は、東北新社の中島信也氏、ワンスカイの福里真一氏を
ゲストスピーカーにお迎えしました。
それではさっそく、本イベントの内容を振り返ってみようと思います。
■参加者の絵コンテ講評
※提出者のお名前は伏せさせていただきます。
代わりにタイトルにタグラインを使用しています。
1、将来を悩めるという贅沢 →ありふれた大学生活の中で就活に悩む大学生に対して、それは贅沢であると答えるCM
福里:普通のシーンの連続で、目立っていないので入賞は難しい。
切り口はありかもしれないが、どう表現するかが課題。
例えば、複数のシーンを使わずに「麻雀」だけで貫くとか。
銃をもった軍人を登場させて、日本と対比するとか。
中島:僕だったら、日本独特の虫達が会話しているシーンにする。
もしくは、日本列島くんを主語にするとか。
2、すし、てんぷらだけじゃない − 日本の味 →寿司や天ぷらだけではなく、お弁当も日本の味であると表現したCM
中島:お母さんの味が、日本の味という視点はいい。
福里:例えば、外国人が寿司屋に来て「日本の味!」って注文したら、
弁当が出てきた、という演出なら驚きがある。
逆から逆から考えていくと良い。
3、Opportunities are everywhere. →外国人が蹴ったサッカーボールが、日本の魅力的な部分に当たっていくCM
中島:ボールを蹴ったら、その先で物語が展開する。映像は面白そう。
しかし、なぜそれがサッカーボールなのかが分からない。
福里:表現方法だけが書いてあって、企画がないので、
今の日本の何を描くのかを考えてほしい。
例えば「今の日本人はノリがいい」という企画で、
サッカーボールを蹴ったら蹴り返してくれる日本人を描いてみるとか。
4、安心大国日本 →酔っぱらって失敗しても、安心して家に帰れる日本を表現したCM
福里:安心大国日本と本当に言えるのかどうかが疑問。
際立たせ方も弱いので、例えば、ずっと酔っぱらっている女性を描いてみる、などの工夫をした方が面白い。
5、わらい世代 →ゆとり世代?という問いかけに、わらい世代という答えを出したCM
中島:笑っているだけだと、企画が弱くなりそう。
福里:見る人が「わらい世代」に納得できるかどうかが重要。
表現の仕方も、例えば、普通なら笑わないシーンで笑ってみるとか。
6、顔さえ知らぬ人への愛し方がある。 →生まれる前の子供の名前を通して、親の愛情を表現したCM
福里:名前の「画数」は日本独特のもの。
それで悩む親を上手く描ければ、日本の良さとして納得できる。
7、日本の夜をサンポしよう →お祭り、花火、河原で、日本の夏の夜の魅力を表現したCM
中島:絵は素晴らしいが、企画が弱い。
福里:良いものを、良いでしょと表現するだけでは、共感や驚きが少ない。例えば、日本に良い印象をもっていない外国人女性が、
突然日本の魅力に触れて感動するといった話にしてみた方がいい。
8、銭湯で心もすっぴんに →合コンで着飾る自分と、すっぴんになれる銭湯を対比で表現したCM
中島:皆でわいわいやるのも良いけれど、1人でリラックスもいい。
銭湯というイベントを紹介するのではなく、
銭湯という気持ちになれるという表現をするといい。
福里:銭湯に行けば全てがチャラになるんだという表現をしてみるといい。例えば、尖閣諸島の問題に悩む総理大臣が、
銭湯に行ってストレス解消するなど。
【総評】
中島:パッと見で分かりにくいのが多かったですね。
あまり渋いところに入らずに、もっと単純に。
目に見えない「おもてなし」みたいなものに寄り過ぎて、
難しい表現をしない方が良いと思います。
福里:皆さん様々な視点があって良いなと思いました。
それをどう表現するか、もう少しじっくり考えてみるといいと思います。
Text: Kazuki Mochizuki
【追記】
講評ではゲストのお二方から厳しい意見もありましたが、
とても愛のあるご指摘だったと思います。
今回のイベントでのアドバイス、お話を参考に、
ぜひmyJapanAward2014に作品を出してみてください!
イベント終了後には、福里さんが残ってくださり参加者の質問を受けていました。参加者の皆さんの熱意を感じたワンシーンでした。