この夏、my Japanがお送りする「Creative Summer Camp(以下 CSC)」の石巻コースロケハンが、7月4日(土)、5(日)に宮城県石巻市内にて行われました。
Creative Summer Campとは、宮城県石巻、福島県会津、山形県赤湯の3つの地域の魅力をPRする映像を、29歳以下の学生・社会人3人1組で作るプログラムです。
石巻におじゃましたのは、石巻映像コースと石巻映像インタラクティブコース合わせて38名。
今回は、石巻コースのテーマである「“食”の魅力」を感じもらうために設定したロケハンの様子をお送りします。
【石巻について】
ロケハンレポートの前に石巻について簡単に説明したいと思います。
宮城県の沿岸部にある石巻市。石巻市は宮城県では仙台に次ぐ第2の都市で、人口は約16万人です。
山と海、大きな川などがあり、海の幸や山の恵み、加工産業に郷土料理…。
贅沢すぎるほど、豊富なおいしい“食”が溢れています。
しかし、石巻はこの豊富さ故に、“食”の魅力を十分に発信しきれていない現状があります。
そこで、その課題を解決するために設定されたのが今回のテーマ「石巻の“食”の魅力」です。
【ロケハン1日目】
朝、7時半に東京駅に集合でした。関西圏からの参加者など遠方から来た方もいてとても眠そうでしたが、寝坊で遅刻する人もなく東京駅を出発です。
バス内では、行程やロケハンでの注意事項などを説明し、睡眠を取ったりロケハンについて話したりなど自由に過ごしました。
バスに揺られること、約6時間半。最初の目的地に到着!
石巻で最初に訪れたのは、「木の屋石巻水産」
東日本大震災により工場・事務所とも全壊状態になったが、2013年2月に新工場が完成。
今回はその新工場でお話を聞きました。
木の屋石巻水産は、津波流されただけで中身に影響のない缶詰を都内のボランティアの手によって洗浄・販売したことでメディアに取り上げられている会社でもあります。その当時の様子などの映像を見ました。また、メインの商品であるサバの缶詰の説明などを受け、石巻の水産加工業などについてのお話を聞きました。
次に訪れたもの魚の加工をしている「高橋徳治商店」
無添加にこだわった練り製品を作っている会社で、同じく東日本大震災により工場が全壊し、製造営業停止。2013年に新工場が完成。
ここでは、震災当時のことや無添加製品であるこだわり、海と山の関わりなど、徹底的にこだわりぬいた製品についてお話を聞きました。
また、試食として笹かまぼこなどの練り製品を実際に試食させていただき、そのこだわりや美味しさを舌で感じました。
その次に訪れたのは、缶詰や練り物に加工される前の原料である魚が水揚げされる「石巻漁港・石巻魚市場」
震災前が、全国3位の水揚げ数量を誇り、世界三大漁場の一つとされる三陸沖が目の前の石巻港です。
また、石巻魚市場も震災の影響により仮設の市場でしたが、復興が進み8月には新市場が完成する予定です。
まず、魚市場の放射能測定検査などの安全管理体制などの説明を受けました。チェックを重ねた魚が消費者の元へ届くというお話をされました。
次は、8月に完成予定の新市場を案内していただきました。こちらも徹底的な衛生管理体制を敷き、安心安全な市場へ生まれ変わるそうです。
石巻の魚の特徴について聞いたり、実際に漁港を見て、魚と潮の混ざった香りを嗅ぐ魚市場ならではという体験をしました。
1日目の行程はこれで終了で、「道の駅・上品の郷」に向かい
宿泊がホームステイなので、ホームステイ先のお迎えがありました。
ホームステイ先では、石巻の家庭の味や郷土料理を食べたり、地酒を飲んだり、普通に宿泊するのでは味わえない体験が出来たと思います。
宮城県の郷土料理「おくずがけ」や今が旬の「ホヤ」などの海産物が出た家庭もあったそうです。
【ロケハン2日目】
朝から「川の上・百俵館」にてホームステイ先のお見送りがありました。
送ってくださったホームステイ先の方と時間ギリギリまでお話をして、別れを惜しんでいました。
2日目は、川の上・百俵館での石巻観光協会の方のお話からスタートです。
ちなみに、「川の上・百俵館」とは、コーディネーターの三浦さんが運営委員を勤めるコミュニティ図書館。子供からお年寄りまで、皆でワイワイお茶と会話を楽しめるにぎやかな場所となっています。
参加者のみなさんもこの素敵な空間で始まるまでの時間をのんびり過ごしました。
石巻観光協会の方からは、石巻の概要の詳しい説明や、石巻の観光の魅力、観光協会のおすすめのご当地グルメ紹介など、観光視点からのお話をしていただきました。
サバだしラーメンや石巻焼きそばなどなど今回のロケハンで紹介しきれないグルメの話もたくさん!
観光協会の方のお話の後は、同じく百俵館で、明治42年創業で100年以上の歴史のある「島津麹店」の方のお話です。
「島津麹店」は宮城県産ササニシキ1等米100%使用した麹づくりをしている麹店で、現在石巻で唯一の麹製造所となっています。
ササニシキ1等米を使うことへのこだわりや新たな麹製品作りへのチャレンジなどのお話を伺いました。
その後は、百俵館を移動して、その麹の原料でもあるササニシキを生産する農家「木村農園」へ。
木村農園は、日本でも数少ない農薬を使わない完全オーガニックのササニシキ“田伝むし”を生産。幻のササニシキとも言われています。
このササニシキは粘りが少なくお寿司に適してることから、東京の有名寿司店などでも使用されているらしいです。
そんなテマヒマかかるお米を作る苦労や、米農家の現状など木村さんのアツいお話などを聞き、実際の田んぼを見学に!
初めて稲を間近で見たという参加者もいたり、実際にどんな環境で米作りをしているのかを知れる貴重な経験だと思います。
海が近いということもあり、田んぼにはカラスやスズメではなく海鳥のウミネコがいました。石巻ならではの光景を見ることが出来ました。
石巻の農業を知ったあとは、石巻を代表する海産物「牡蛎」について知るために長面浦・尾崎地区へ。
その尾崎地区へ向う手前に、津波で甚大な被害を受けた大川小学校行き、参加者全員で黙祷をしました。
今回のロケハンは食というテーマではありますが、改めて震災を知っていただくということで大川小学校をお参りする機会を設けさせていただきました。
長面浦では、津波の被害にあい現在再生プロジェクトを進めている築100年の古民家で昼食を食べました。
昼食には牡蛎と一緒に穫れるムール貝のうしお汁という漁師料理や時期的に最後となる牡蛎を用意していただきました!参加者のみなさんは2日間で1番の笑顔をみせていたような(笑)
昼食を食べながらではありますが、牡蛎養殖をしている神山さんよりに牡蛎養殖ついてや尾崎地区の歴史や現状について聞きました。
尾崎地区は、風光明媚でとても景色のよい地域ではありますが、津波の影響により人が住んだり寝泊まりの出来ない非居住地域になってしまい現在誰も住んでいない状態です。
牡蛎養殖場や牡蛎小屋、番屋などの水産施設はあるものの人の気配があまりない寂しい地域となってしまっています。
その後は再びコーディネーターの三浦さん宅でへ。
漁業をカッコよくをコンセプトに集まった東北の若手漁師集団「Fisherman Japan」の方にお話を伺いました。
若手目線からの石巻の漁や水産業の現状についてお話を聞きました。
Fisherman Japanはサイトもカッコよく、流した映像も漁師のPR映像とは思えないクオリティでみなさん釘付けでした。
以上が石巻のロケハンでした。
東京へ向かうバスの中も、皆さん話が尽きないようで、終始にぎやかでした。
もちろん疲れて寝ている方もいましたが。
本当に参加者のみなさんお疲れ様でした!!
【ロケハンを終えて・・・】
石巻の食の魅力に触れることができた2日間。
今回の石巻コースのテーマ”食”に関しても五感で石巻を知れて本当に良かったと思います。
なにより、参加者の人が真剣に、時には笑顔でワクワクしながら、話を聞いている姿を見て、8月に出来上がる作品が楽しみになりました。
実際に石巻に訪れたことで、皆さんいろいろなことを考え、感じることができたハズです!
最後に、今回のキャンプにはたくさんの現地の方が協力してくださっています。
本当にありがとうございます!8月の撮影・編集キャンプでもまたお世話になりますが、どうぞよろしくお願いします。
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Text:Kenta Nagasawa