今回ご紹介するのは、福島県田村市で農家を経営していらっしゃる佐久間辰一さん。
農家と聞いて野菜を想像する人が多いと思いますが、実は佐久間さんが作っているのは野菜だけじゃないんです!
田村市で一番自然を愛していらっしゃる佐久間さんを紹介しながら、田村市のちょっとマニアックなところをお届けしていきます!
プロフィール
佐久間辰一さん
昭和27年1月、福島県田村市大越町に生まれる。元高校教師、田村市大越町在住。大越町立牧野小学校、牧野中学校(現・大越小学校、大越中学校)を卒業後、福島県立岩瀬農業高校農業科、同行別科産業科測量課程で測量技術や統計を学ぶ。のち日本大学通信課程法学部法律学科卒業。
岩瀬農業高校実習助手を経て双葉農業、小野、岩瀬農業の各校教諭を務めた。
平成18年に福島県で初めての優秀教員表彰受賞(文部科学大臣表彰)。
現在、ひまわり会会長、大越まちづくり協議会副会長、大越町牧野小学校PTA会長、同校同窓会会長。
佐久間さんは、大越町(田村市内)を、ひまわりを活用して地域おこしに取り組む「ひまわり会」の会長を務めていらっしゃいます。ひまわり会が毎年8月15日に開催しているひまわりフェスティバルでは、一面の黄色いじゅうたんを囲んで流しそうめんやカラオケ大会を楽んだり、夜には豊年盆踊り大会も開かれます。昨年は二組の方がここで結婚式を挙げられたそうです!
お母さんの手作り料理も振る舞われ、地元のお祭りにも関わらず毎年全国から人々が集う一大イベントとなっています。
-ひまわり会とは?
ひまわり会が発足したきっかけは、平成5年から実施され始めたほ場整備でした。営農体制が大きく変わったことで、兼営農家が大半となり、緑も減って田園風景が大きく変わってしまったそうです。住民同士の繋がりも減ってしまったと感じていた頃、植栽を通し以前のような景観と、町の人々の交流を取り戻そうと有志16名で立ち上げたのが、このひまわり会でした。
-なぜひまわりにしたのか?
当時のテレビドラマからヒントを得たそうです。地区の賛同を経て、国道沿いや川沿いに植えられた5千本のひまわりは、今ではなんと3万本にまで増えました。ひまわりを使った特産品としては、ひまわり油やひまわり染めを作ったり、ひまわりの茎でできた杖を老人クラブに贈ったりもされています。
ですが、育てているのはひまわりだけでなく、佐久間さんの家の裏にある愛宕山ではつつじの公園を整備していたり、高柴山の登山道では3千本のあじさいや、近くの工業団地ではコスモスも植えられています。
今年のひまわりの種まきは5月4日。佐久間さんの畑でも種まきが行われ、多くの現地の方が参加されました!
上の写真は、佐久間さんの畑にお邪魔した時に見せていただいたひまわりの苗です。先日下見に行った時にはもう葉っぱが出ていました。
-テレビにも出演
福島県は、お笑い芸人の白鳥久美子さんの故郷でもあります。白鳥さんが出演している福島の情報番組「サタふく」では、佐久間さんの活動内容が取り上げられました。
この番組でも紹介されているように、佐久間さんの畑では、普通の農家とはちょっと違う面白いものが栽培されているんです!
これ、何の苗だと思いますか?
実はパッションフルーツなんです!
「東北で南国の果物なんて作れるの?」と思う方が多いと思いますが、実は夏の暑さは沖縄とほぼ一緒。さらにこの地帯は朝と夜の寒暖の差がはっきりしているため、おいしくて甘さが豊富な野菜や果物が栽培できるんです。
春から秋までは外で鉢植え栽培を行い、冬になると一旦室内に戻します。春になって少し暖かくなると今度は外の露地に植え替え、2年目の秋になってようやく収穫できます。
福島では沖縄よりも収穫期が少し遅いので、沖縄の方でパッションフルーツの在庫がなくなってしまった場合、佐久間さんの所に「パッションフルーツすこし分けてください!」と連絡が来るそうです!
こちらがそのパッションフルーツの実。これはまだ若い実ですが、収穫期になると茶色くなります。熟した実は自然に地面に落ちるので、食べ頃の時期は向こうから教えてくれます。なので、収穫方法はなんと落ちた実を拾うだけ!運営スタッフもこれには驚きでした。
また、パッションフルーツの味見もさせていただきました。
まだ酸っぱかったですが、種のプチプチとした食感がクセになります。
そしてパッションフルーツの奥にあるのが、”パッションフルーツ酒”。香りがとても良く、パッションフルーツの味もしっかり出ていました。
パッションフルーツの葉からはお茶も煎れることができ、このパッションフルーツ茶は近々商品化も検討されているようです。色もとても綺麗な緑で、飲むとほんのり自然の甘みが感じられます。
-佐久間さんがパッションフルーツ以外にもオススメする果物
佐久間さんはパッションフルーツ以外にも、様々な果物や野菜を育てていらっしゃいます。
中でも、パッションフルーツの次に若者に食べて欲しいとおっしゃるのが「レッドチェリー(紅ほおずき)」です。食用のほおずきで、ビタミンや鉄分を多く含み、美容にも効果があるそうです!
さらに、佐久間さんはこの他にも「エレガントサマー」という”茎”を食用とするサツマイモを栽培されています。
こちらがその茎。
サツマイモなのに根ではなく茎の部分を食べるなんて、変わり種ですね!
佐久間さんは本も出版されています。その題名は「人物のまち福島~社会人として大切なことは植物から学んだ~」。福島県の農家で生まれ、農業高校で学び、農業高校で教鞭を取られた佐久間さん。その環境の中で多くの植物に触れるうちに、植物の不思議について考えさせられることが多くあったそうです。
どうしてパッションフルーツを作ろうと思ったんですか?とお伺いすると、「人とはちょっと違うことがしたかったから」と語っていらした佐久間さん。ですが、”新しい野菜を栽培する”という好奇心をお持ちになっている反面、その栽培を通して、生き物の原点、生きるとは何かについて学んでいらっしゃいました。
そして自然から多くを得るだけでなく、さらにそれを周りの人に発信している佐久間さんを見て、とても素敵な方だと感じました。
今年のCreative Summer Campは、今回ご紹介した佐久間さんの故郷である田村市でも開催いたします!ネットには載っていない魅力が田村市にはまだまだ沢山ありますので、実際に田村市へ足を運び、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
興味を持った方は、是非HPもご覧下さい。
ここ田村市で映像を作りたい方、そしてCSCで自分を成長させたい方、ご応募お待ちしております!