9/29(木)に、渋谷ヒカリエにてCreative Summer Camp 2016(以下CSC)の最終発表会が行われました!
今回の発表会では、中島信也氏(東北新社)・河尻亨一氏(銀河ライター)・福里真一氏(ワンスカイ)・木村健太郎氏(博報堂ケトル)・須田和博氏(博報堂)の5名の方々お越しいただき、審査をしてもらいました。
今年のCSCは徳島県 神山町コース・新潟県 佐渡島コース・福島県 田村市コースで開催され、58名の若手クリエイターによって、計19の地域PR動画が完成しました。
そしてその中から、19作品の頂点となる『最優秀賞』作品と、コースごとに選ばれる『優秀賞』作品の全部で4つの受賞作品が決定しました!
それでは早速、優秀賞からご紹介していきます!
《徳島県神山町コース 優秀賞》
チーム:アーケオロジーズ
作品名:『神山の魔法の言葉』
神山町コースの審査員は、木村健太郎さんに務めていただきました。
木村さんがこの作品を選ばれた理由として、
「最初に見た時は全く意味がわからなくて、今のなんだったんだろう?って感じました。 このシーン何のために作ったんだろうとか、このおっちゃん何て言ってるんだろうとか。でも何かよくわかんないけど、この町を知りたいって思わせることが出来てましたね。」
と、メッセージの伝わりの強さが受賞の決め手だったとおっしゃっていました。
《新潟県佐渡島コース 優秀賞》
チーム:じゅべん
作品名:『しんこに惚れて』
佐渡島コースの審査員を務めて頂いたのは、缶コーヒーBOSS 宇宙人ジョーンズのCMも手がけていらっしゃる福里真一さんでした。
作品の講評では「他の作品よりも圧倒的に目立っていた。そして佐渡島感がハンパじゃなく出ていた。」とおっしゃっていらした福里さん。
「開催地域に特化した映像を制作するのがCSC。他の作品は日本のどの地域でも撮れそうなものだったが、じゅべんの作品は格別に佐渡島感が出ていた。」と、選んだ理由は佐渡らしさだったと教えて下さいました!
《福島県田村市コース 優秀賞》
チーム:ピンクレモネード栄治
作品名:『ちょっとほんと♡』
そして福島県田村市コースの審査員を務めて頂いたのは箭内道彦さんでした。
お仕事の都合上箭内さんには最終発表会にお越しいただけませんでしたが、ビデオメッセージで作品の講評をして頂きました。
箭内さんは、「この映像、日本全国どこでもでも撮れちゃいそうかなと一瞬思いました。でも田村市コースのテーマだった、”よそ者視点”というところで、誰でもすっと入ってくることの出来るそういう田村市の雰囲気がこの映像に含まれているのではないか思いました。このCMには田村市ならではの静けさや人、そして自然といった要素が全て凝縮されていますね。」とおっしゃっていました。
優秀賞は以上の三つの作品でした!
受賞されたチームのみなさん、おめでとうございます!
そして最後に、全3地域の中から見事最優秀賞に輝いた作品をご紹介します。
最優秀賞を受賞した作品はこちらでした!
《Creative Summer Camp 2016最優秀賞》
チーム:家系シュークリームメーカー
作品名:『スケてるっていいな。』
この最優秀賞を決定するために、当初予定されていた審査時間よりも15分も延長して審査が行われました。「今までのmy Japanの審査の中でこんなに困窮したのは初めて」と河尻さんもおっしゃられるほどでした!
そのくらい今年のCSCではクオリティの高い作品が多く出来上がったということなのですが、講師の方々が審査時間に入られてまず最初に意見を出し合われたところ、なんと全員がバラバラの作品を選ばれたそうです!
まず中島信也さんが選ばれたのは、神山町コースの優秀賞を獲得したアーケオロジーズの『神山町の魔法の言葉』
そして河尻亨一さんは田村市コースチームたむらまろの『なんにもない』
福里真一さんは田村市現地優秀賞を受賞したピンクレモネード栄治の『ちょっとほんと♡』
木村健太郎さんは、同じく田村市コースであるぼくなつの『田村病にご用心!』
そして最後に、須田和博さんが選ばれたのはオンライン・サロンプラットホーム・シナプスの『堂々と、佐渡島』でした!
では審査員の方々の意見も食い違う中、どのようにして審査が行われたのでしょうか?
今回のトークセッションのテーマでもあった、「人から見られる映像作り」に絡めながらお話して頂きました!
中島:今はね、動画はやっぱり携帯で見られるのが一番多いと思います。
だから携帯で見られた時にどうなるのかなっていうのは、今回の審査でも議論しましたね。
河尻:はい。そういうことで、今回家系シュークリームメーカーの水がスケてるっていう作品なんですけれども。これ神山のテーマでもあった、”やったらええんちゃうん”の要素はあまりないんですよ。でも神山町を初めて見る人は明らかに気を引きそうな、そういう感じがあったんですね。
福里さんはどう思われましたか?
福里:映像ってぼーっと見てられるものなので、まじまじと見てよく聞いてみたら良いことを言ってるとか、そういうのはなかなか最後まで聞いてもらえないんですよ。あとはどっかで観たことがあるようなものとか。
このスケスケは、「水」っていうものだけを伝えているシンプルさと、またこの見る人をひきつける力というのもあるので、最優秀賞に決まったことに対しては納得していますね。
木村:そうですね。やはり着眼点はみんなどの作品も素晴らしいんですよ。でもそれを伝える時に、尺が短い中でどう企画を作るかっていうのが大切で。スケスケもそういうところが良かったですね。
僕が推していたのは『田村病にご用心!』だったんですけど、寝ているところに近づいて行ってクラッカーやるとか、カブトムシをいっぱい付けるとか、こういうの僕はすごく良いと思いましたけどね。
河尻:あとはウシとキスとかもね。(笑)
中島:実は最後にもめたのはこの田村病とスケスケの二本だったんですよ。さっき言っていた、人から見られるということで、もしこの映像がスクランブルに流れたらどうなるかなって。そこにいる人達が「何が始まるのかな」って注目したりとか、その面白い気配が逆に他のCMと比べて目立つのかなとかも思ったりしましたね。
福里:あとこの映像は、”田村病” っていうフレーズを見つけてるところが良いんですよ。映像を見終わった時にその町のことを覚えていてほしいわけですから、こういうコピー大切です。
中島:最後の”感染拡大中!”とかもね。
でもね、福里さんもおっしゃってたんですけど、内容を盛り込めば良いってわけでもないんですよ。そこをどうするかっていうところなんですよね。
河尻:そうですね。
須田さんはシナプスの『堂々と、佐渡島』映像を選ばれていましたけが、どうでしたか?
須田:これはね、最後におじさんが「嫌いだったらこなくていい」って言うシーンがなかなか決まってました。前にこのチームの企画を見た時に、反対のアプローチをしたいって言ってて難しそうかなと思ったんですけどね。
中島:惜しかったのが、音声が強くて佐渡島らしさっていうのが意外と最後に残らなかったんですね。嫌いだったらこなくていいって言うのは、佐渡島だからなんだよっていうのが一個あると、抜けたかなっていう感じがしたんですよ。
福里:田舎に行って暮らそうキャンペーンだったとしたらすごく良い。 最後から二個目の「田舎は思い通りにいかない」っていうコピーもすごくいいなと思いました。ラストのコピーも頭に残りましたけどね。これはTCCとかに入りそうな良い言葉だと。
中島:はい。もうちょっと手を加えれば受賞しそうな作品がほんとにいっぱいありましたね。
それでね、これからまたmy Japanの全国大会がありますからね!そこで是非リベンジしてほしいなと。
河尻:my Japan Awardですね。 CSCで全然引っかかってないところが賞とったりとかしますからね。
中島:夏川チームとか、チームたむらまろとかね、あと意外とWESTerとかもね。結構企画がはっきりしてるような目立つもの作ってるところは受賞の可能性がありますよ。
夏川チーム
『大阪で番長のワイ、田村市に乗り込んだ』
チームたむらまろ
『なんにもない』(現地最優秀賞)
WESTer
『静、癒しの町』
中島:みなさんAwardの方にもエントリーしてくださいね。
“地域らしさ”が審査のカギとなった今回のCSC最終発表会。
審査員の方々の目に止まった作品も多く、受賞作品のみならず様々なチームの映像の講評もお伺いすることが出来ました。
そして企画を作る時に、その映像が最も見られるのはどの媒体か、またその媒体に適した映像とは何かを考えることが必要だと教えて頂くことができました。
Creative Summer Camp 2016で制作された動画は各コースごとにYoutubeプレイリストにまとめておりますので、そちらも是非ごらんください!
《神山町コース プレイリスト》
《佐渡島コース プレイリスト》
《田村市コース プレイリスト》
そして先ほどのトークセッションでも話がありました、Creative Summer Campの全国大会とも言えるCMコンテスト『my Japan Award 2016』を今年も開催いたします!
審査員には、今回お越しいただいた中島信也さんや、福里真一さん、そして成田空港第3ターミナルの空間デザインを担当し、次世代のクリエイターを養成する学校「BAPA」を手がけていらっしゃる伊藤直樹氏など、クリエイティブの最前線で活躍される豪華9名の方々をお迎えし審査していただきます。
作品の審査・最終発表会は、12月11日(日)に渋谷ヒカリエで行われます。最優秀賞を受賞したチームには賞金50万円が与えられ、なんとその作品は渋谷スクランブル交差点のスクリーン「Q’S EYE」で放映されます!
Awardの詳細につきましては下記をご覧ください。
日本の魅力が沢山詰まった素敵な映像を、スタッフ一同お待ちしております!
【my Japan Award 2016について】
<応募資格>
29歳以下の社会人、学生
<締め切り>
エントリー締め切り 10月2日 (日)
作品投稿締め切り 10月9日 (日)
<賞>
・最優秀賞(1作品) 賞金50万円、スクランブル交差点での放映
・優秀賞(合計2作品) 賞金5万円
・審査員賞(合計16作品) 審査員からのメッセージ
<作品要項>
30秒のCM映像
<参加方法>
エントリーフォームからエントリー後、YouTubeに映像をアップロード。
→エントリーした方には後日、作品投稿フォームをお送りします。
<部門>
・学生部門:大学生、大学院生、専門学生、高校生、中学生、小学生が対象
・U-29部門:29歳以下の社会人が対象
※詳細はサイト内の募集要項からご覧ください。
text:菅原あかり