作品づくりへのこだわりを最後まで。 美大生参加者が語る、アイデアを形にするむずかしさ。

sugawara_plofile

 

昨年、my Japanが初めて開催したCreative Summer Camp(以下CSC)。
CSCとは、29歳以下の若手クリエイターと地域をつなぐ夏のハッカソン型映像制作プログラムで、昨年は宮城県石巻市、福島県只見町、長野県長野市の3地域で開催しました。
今回は、CSC2014で【渋谷ヒカリエでの最終発表会で、只見コース特別賞を受賞した】只見コース「ここそ会」の菅原咲嬉さんにお話を伺いました。

 

-CSC2014 只見コース-
チーム名:「ここそ会」
メンバー:菅原 咲嬉(武蔵野美術大学3年) 、高橋 卓弥(東京理科大学4年)

作品名:「ただみの歌」

現地発表会での結果が悔しく、最終発表会までの期間で作品を大幅にブラッシュアップ。渋谷ヒカリエにて開催された最終発表会にて見事、只見コース特別賞に輝いた。

会議でのなにげない一言がアイデアに

-まず、なぜCSCに参加しようと思ったのですか

自分の興味と合っていたことと、自由にできる大学3年の最後に、意味のある活動をしたかったからです。私は美大でも映像をやっていたので映像のコンペなどに出したいなと思っていたところ、TwitterでCSCの情報を見つけて、「これは行かないと後悔するやつだ!」と直感的に思ったんです(笑) あとは、ずっと東京住みだから、全然知らない地域に足を踏み入れてみたいっていうワクワク感みたいなものも、少しあったかもしれません。

 

-ここそ会のアイデアは「ただいみ」というフレーズが印象的で、歌にもよく合っていましたね!あのアイデアはどうやって出していたのですか?

ただいみが出て来たのは、深夜のテンションでした!(笑) 1dayWSの前日まで良いアイデアがなかなか出なくて…。そんなとき私がぽろっと「ただみって文字を見てたら、ただいまに見えてきた」と発言したのを、彼が拾ってくれたのがはじまりでした。

ロケハン後、只見に対する印象で一番大きかったのが「帰りたくなる町」だったので、その印象を考えていたら「ただいみ」が出てきたんです。

 

-なるほど!なにげない一言からアイデアが生まれたんですね。ただいみを作品にするにあたって、どういう進め方をしたんですか?

実は、歌ものにしようと決まったのはバスの中。ただいみというアイデアは出ていたものの、それをどう表現したら一番生かせるのか、それまで固まっていなかったんです(笑) 二つの案が出ていて、講師の河尻さんに相談したら「素材はあるに越したことはない。できるだけ全部撮ったら?」と言われたので、なるべく多くの素材を撮ることにしたんです。結局はその二つの案の組み合わせになったので、アドバイス通り、素材は撮っておくに越したことは無いと実感しました。

14891189269_139cdbc8f1_z
(只見駅の駅員に話を聞くここそ会のお2人)

 

-結果的に、素材の多さに救われたんですね。制作をする上でいちばん大変だったことは何ですか?

考えたアイデアを形にするまでですね。仕上げの段階で既に素材があれば、ああすればいい、こうしたほうがいいという話ができるけれど、アイデアをきちんと詰めていないまま撮影に入ると、「思っていたのと違う…!」と不本意な結果になってしまうと思います。私たちのチームはそのおかげで現地発表会では思うような結果が出せず悔しくて、最終発表会までにBGMや素材の構成を変えて完成させたんです。

 

-そうだったのですね。現場でやってみながら、何か気付いたことはありましたか?

歌ものにすると決まってから、最初は音程を全部あわせたいと思っていたのですが、逆に外れているのがすごく只見の町の人らしくて良いことに気付きました。気分を盛り上げるために「最後、いえ〜い!とか言っちゃってください!」という風にディレクションをしたら、たまたま面白いものが撮れたりとか(笑) 作品では自分の感じた只見の「雰囲気」を伝えることを大事にしたかったので、そうしたところで人の温かい感じを出せて良かったなと思います。

IMGP1169
(インタビュー中の菅原さん)

未知の体験の中で、体感したことが成長に

-菅原さんは普段美大で映像を使った作品を作っているということですが、CSCでそうした経験は役立ちましたか?

たくさん役立ちました!美大の人は作品づくりへの意識が高いので、美大にいたからここまで仕上がりを追求できたと思います。授業で教わった技術的なことはもちろん、周りの友達や先輩の映像作品を見て参考にしたりもしていました。ただ、普段作品作りでは途中で他の人に見せて意見をもらう機会は少ないんですが、CSCの1dayWSでは途中段階で他チームのアイデアや作品のフィードバックを聞くことができたりと、初めて発見することもたくさんありました。

 

-学んだことを活かしつつ、新しい発見もあったんですね。それでは、最後に感想をお願いします。

私にとってのCSCは、「みんなでつくる修学旅行」です!(笑)
只見コースのメンバーはすごく好きでした。学生も社会人も関係なく、はしゃいでいましたし。(笑) 田舎の人の温かさとか、空の広さ、空気のおいしさ、時間の流れ方、そういう未知の体験も楽しかったです。参加していなかったら、本当に後悔していたと思います。ちらっとでも映像を作りたいとか、地域を発信してみたいという気持ちがある人はぜひ参加してほしいです!

 

———————————

 

<Creative Summer Camp 2015>

今年は宮城県石巻、福島県会津、山形県赤湯の3地域を舞台に3人1組で1泊2日の視察、ワークショップ、2泊3日の撮影・編集を実施する夏の制作キャンププログラム。
〇応募資格:29才以下
〇参加方法:1人、もしくは3人でのチーム
〇参加料金:学生45,000円、社会人55,000円
※交通費・宿泊費込み
〇申込期限:2015年6月21日(日)まで
◯申込ページ:http://myjapan-csc2015.peatix.com
〇プログラム詳細:http://my-jpn.com/csc/

 

<インタラクティブ部門創設!>

今年度は石巻コース限定12 名でインタラクティブ部⾨を設けることが決定致しました。
インタラクティブ部⾨では映像部門と同じく「石巻の食」をテーマに、“映像を使用したweb 上の表現作品”にてご提出頂きます。
インタラクティブ部門の審査員となって頂くのは成田空港第3 ターミナルのデザインも手掛けた、クリエイティブラボ PARTYの伊藤直樹さんです。

 

インタラクティブ作品とは

インタラクティブ作品とは「映像を含んだ広告表現としてのウェブ作品」とします。
作品ページに訪れた人のアクションに応じて、レスポンスし、コンテンツを表示することで、石巻の魅力を発信する作品を作っていただきます。
映像だけでなく、ウェブの力を使って石巻の魅力を発信する作品を作りたい方、是非ご参加下さい。(例:youtubeアノテーション機能を使った作品)

 

募集要項

29歳以下の方で、以下の要件に合う方を募集いたします。
・プランナー
・デザイナー
・エンジニア
詳しくはHPをご覧下さい
http://my-jpn.com/csc/

Pocket